バクテリア産卵材は、材に卵を産む種類のクワガタに産卵させる際、「産卵材に発生するカビを抑制する」、「メスの産卵を促進させる」目的で使用します。メスが産卵を始めると、メスが歩いた箇所からはカビが自然に消えて行く(バクテリアも埋め込んでいるらしい!)ため、ぼくは主に産卵促進が目的だと思っています。
バクテリア産卵材は、ショップにて購入することもできますが、自宅で簡単に作れるので自作が経済的にもオススメです。
【用意するもの】
①産卵材
②大きめのケース
③カブトムシやクワガタムシのフン
①産卵材
クワガタムシの産卵に使用するのは、シイタケ栽培で使い古した「廃ホダ木」を小さく伐ったものです。菌糸がよく回り、白枯れしたホダ木が産卵に向いています。クヌギやナラの廃ホダ木が一般的で、昆虫ショップの他に、ホームセンター、ペットショップ、Amazon等でも簡単に入手できます。
ぼくの場合は、義母の実家に良質なシイタケの廃ホダ木がたくさんあるので、それらを譲り受けております。従って、市販のよりも若干大きめで、芯や汚れがあります(いわゆるB材と呼ばれるものも多いですが、クワガタの産卵には何ら問題ありません)。
義母の実家に常にストックがあるわけではなく、そういった時は、椎茸農家さんが廃ホダ木を販売されていることがあるので、利用させて頂いております。少量を手近に入手するならペットショップやホームセンターで購入することも便利ではありますが、産卵木がたくさん必要な場合は、農家さんから直接購入が安くで入手できます。
さて、その産卵木ですが、卵を産ませようとしているクワガタに適した堅さの産卵材を用意します。ではどうやって上掲写真のような状態から産卵木の堅さを判断するのか?という問題が出て来るかと思います。
まず、指の爪で産卵木の断面を刺してみます。
◆全く爪が食い込んで行かない⇒堅過ぎる
◆ある程度爪が食い込む/爪痕が残る⇒堅い
◆押した分だけ爪がどんどん食い込んで行く⇒柔らかい
初めは上記のようなイメージで選別し、経験を重ねるうちに何となく判断できるようになって来ます。また、適していると言われている堅さ/柔らかさの産卵木を使用しなくても、絶対産まないということもありません。あまりナーバスにそこまで気にする必要は無いとは思います。
では、バクテリア産卵材を作っていきましょう。産卵木は買ってきてそのままセットしてはいけません。購入した時点ではカラカラに乾燥していますので、水分を含ませる必要があります。何か適当な容れ物に水を張り、産卵木を丸々浸して小一時間ほど放置します。
この行為は、材に水分を含ませることが目的ではありますが、材の中に潜んでいるかもしれない他の昆虫を水死させることもできます。
充分に浸した後、産卵木を取り出し、日陰で半日ほど干して余計な水分を飛ばしましょう。変な虫が付くと嫌なので、ぼくの場合、産卵木をキッチンペーパーで巻き、新聞紙を何層か敷いたダンボールの上で“室内で”干しています。
そして、次の写真のように廃ホダ木の樹皮を剥ぎ取ります。結構堅いので、ぼくはノコギリを使って剥ぎ取っています。剥ぎ取ったら、オレンジのクズがまだいっぱい廃ホダ木に付着していると思うので、それらも取り去ってしまいます。
オレンジ色の樹皮クズを取る前(左)と取った後(右)では、比べてみると違いがあることが分かりますね。
これで産卵材の準備はバッチリです。
※剥ぎ取った樹皮(黒い部分)は、成虫飼育時の必需品(転倒時に足を引っ掛ける足場となる)ですので保存しておきましょう。
③カブトムシやクワガタムシのフン
バクテリア産卵材を作ろうと考える人は、おそらく既にカブトムシやクワガタムシを飼育しているという判断の下、話を進めて行きます。
マット交換で得られるカブトムシやクワガタムシのフンは、捨てずに集めておいて下さい(笑)
バクテリア産卵材はこのフンが無いと作れません。
まず、ケースにフンを敷き詰めます。
バクテリア産卵材を作りたい数だけフンの上にセットします。
上から再びフンを入れ、産卵材をフンで埋もれさせてしまいます。
気密性を保つために、ケースと蓋の間に新聞紙等を挟み込み、1週間~10日ほど放置します。
これでバクテリア産卵材の完成です。
使用するまで、ビニル袋か何かで個包装しておきましょう。
※絶対的な順守事項※
一度飼育した昆虫は絶対に自然に放つことはせず(国産・外国産に拘わらず!)、天寿を全うするまで責任を持って育てて下さい。もしくは、里親を探して下さい。放虫は法律に抵触します。